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人によって受け取り方が異なる?本来の意味が変わって来た言葉10選

2020年8月17日

日本語の中には、本来の意味から随分と変わって来た言葉がたくさんあります。

正しい日本語をしっかりと使いたいものですが、間違った使われ方をしている内に、世間に浸透してしまった言葉って結構あるのです。

変化してしまった言葉の意味を否定してしまうのも、今の時代に合っていないのかもしれません。

人によって受け取り方が分かれてしまうこともあり得るので、一般的になった意味合いと本来の意味を踏まえて、場面に応じた使い方をしたいですね。

そんな気を付けて使いたい、間違いやすい日本語を10個御紹介致します。

平成7年度から、文化庁が毎年「国語に関する世論調査」を実施していますので、文化庁のサイトも引用させていただきました。

 

お疲れ様です

日常でよく使う「お疲れ様です」も本来は、上の者から下の者、若しくは、同じ立場の間で使われていました。

現代では、目上の方に使っても失礼といった印象は受けません。

とは言え、身近な目上の方ならまだしも、日頃接点がないような年配の方や役員に対しての使用は控えた方が、無難かもしれません。

似た言葉に、「ご苦労様です」がありますが、これは明らかに上の者から下の者へ使う言葉ですので、間違っても上司や目上の方に使わないようにしましょう。

 

気が置けない

他人行儀な距離感がなく、ことさらに気を遣ったり気兼ねしたりする必要がないほどに親密である様子を表した言葉ですが、置けないという表現から意味が変わって来ています。

相手に遠慮したり気づかったりする必要があって、心から打ち解けられない意味になりつつあり、本来の意味と反対に使う方が増えているようです。

 

御の字

元々は、江戸時代に遊郭からでた言葉で、とびきり美しい花魁に対して、これ以上望めない遊女を「御の字」と呼んだことが語源だそうです。

なので、これだけ集まってくれたら御の字だという表現は、大いにありがたい。大満足だという意味で使われていました。

それが、最近では、「まぁ納得できる」といった意味に変遷しており、こんなもんで充分かといった、本来の意味とは異なる使い方をする人が増えているようです。

 

役不足

本来の意味は、その人の能力に対して、役目が軽すぎるといった意味でしたが、最近では「役目が重すぎること」という逆の意味として用いられることが多くなっています。

自分がその役や仕事を受けるのは、本来の能力以上になってしまう意味が浸透しています。

どちらかというと、「力不足」の方が、後者の意味を表しています。

 

やぶさかでない

やぶさかではないを漢字では、「吝かではない」と書きます。

その意味は、「〜する努力を惜しまない」「喜んで〜する」です。

一見「〜ない」で終わるので否定的な意味の言葉であると感じますが、「やりたい」という積極的な意思を示す表現です。

「ぜひ、やらせてください」とい積極的な気持ちを謙虚に伝える言葉です。

それが、最近では、「気が進まないけど、しょうがないからお引き受けします」といった意味に受け取る人が増えています。

非定型の「ない」た付いていますが、決して後ろ向きな意味ではありません。

 

煮詰まる

「煮詰まる」の本来、「結論が出そうな状態」を意味します。

それが、現在では、問題や状況が行き詰まってしまい、どうしようもなくってる状況を刺すことが一般的になっています。

議論も紛糾したが、煮詰まって来たという表現は、もうすぐ解決するといった意味が本来です。

 

失笑する

失笑するを、「笑いも出ないくらいにあきれた」時に使用する方が折られますが、本来の意味は「思わず笑いだしてしまうこと」です。

あざけ笑うのではなく、本当におかしくて自然と笑いが起きてしまうことを表すときに使うのが本来です。

「失笑の声が起り始めた」という表現は、声を出して笑っている様子が伺えて、笑いが失われているわけではありません。

 

敷居が高い

敷居が高いは、「不義理や面目のないことがあって、その家に行きにくい」といった意味でした。

しかし、一般的には「高級すぎて入りにくい」として使われ、一般的に浸透していました。

そのせいか、2018年に発売された広辞苑第七版で、「高級だったり格が高かったり思えて、その家・お店に入りにくい」という表現が付け加えられました。

間違いではなく、正式な用法として認められました。

 

なし崩し

物事を少しずつ変えていくことや、徐々に変えていってそのまま始末してしまうことを意味します。

 元々は借金を少しずつ返済することを意味していました。

ですが、今では、なかったことにするや、うやむやにするといった、意味で使われています。

なので、借金をなし崩しにするの意味を、借金を踏み倒す様な意味で使われています。

これは、誤用ですが、敷居が高いのように、正しい使い方になる日も来るのかもしれません。

 

いやがうえにも

これは、意味が変わってきた言葉ではないのですが、同じように使われている時があります。

「いやがうえにも」は、「ますます状態が進む」ような場合に使います。

漢字では、「弥」で「いや」と読み、いままでよりもっとという意味です。

それに対して「いやおうなし」は、「いやだろうと、やならければいけない」時に使います。

人気が上がっていく場合の様に、段々と調子が進んでいくのに対して、相手の意思に関係なく、ものごとを強いる場合と、全く別の意味を持ちます。

 

まとめ

間違った使われ方でも、みんなが認識してしまえば、新しい意味となります。

若者言葉や流行語も、新しい日本語となる場合が出てきます。

ただ、やはり本当の意味を踏まえて使わないと、正しい日本語が伝わらなくなるかもしれません。

意味が広がっていくのは、おもしろいですが、正しく認識して、私たちの母国語を大切にしていきたいですね。

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