起業の雑学

起業に許可が必要?!許認可がないと開業できない業種とは?

2020年5月24日

起業する際に事業の内容によっては、監督官庁へ許認可を申請するなど、一定の手続きが必要になります。

申請時期は、開業時期や会社設立の手続きとの兼合いもあったり、金融機関から融資を受ける場合に許認可が下りているかどうかが前提となる場合もありますので、早めに準備しなければなりません。

また、許認可の手続きには、時間がかかることが多く、申請するまでの準備期間、申請してから許可が下りるまでの期間を予め把握しておくことが大切です。

許可を得ずに事業を行うと業務禁止や刑事罰などの厳しいペナルティが設けられている場合もありますので注意が必要です。

単に届出や申請をすれば、事業を始めることができる業種から、様々な要件を必要とするものもあります。

例えば、建設業のように小規模で営む場合には必要なくても、ある一定の規模を超える場合には、許可が必要とされる業種もたくさんあります。

 

許認可の要件

許認可の要件としては大きく3つに分けられます。

人の要件

専門の資格を取得している人や一定の期間の経験を認められないと許可してもらえない業種があります。

また、破産者で復権を得ていない人では受けられない等の欠格要件もあります。

設備の要件

営業所や店舗に必要な設備がそろっているかどうかが判断基準になる場合もあります。

例えば衛生面や安全面が問われる業種では、細かな要件が定められています。

財産の要件

事業の運営に資金を必要とする業種や、もしもの時に取引先への損害を補填することを予定している業種などは、一定の財産があることを証明したり供託を求められることがあります。業種によって金額も様々です。

 

許可の種類

一言に「許認可」と言っても、以下5つの種類があります。

届出

行政機関に届け出ることで営業を行うことができます。

必要書類を揃え、届出を提出した時点から、事業を行う事ができるようになります。

例:探偵業、理美容業、クリーニング業

 

登録

行政機関に届け出て、定められた名簿に登録されることで営業を行うことができます。

必要書類が揃っていれば、審査等もない場合が多いので、割とすぐに事業を始めることができます。

例:電気工事業、医療機器製造業、採石業

 

認可

行政機関に届け出て、法律上定められた要件を満たすことで営業を行うことができます。

通常審査に時間がかかりますが、必要とする要件を満たしていれば認められます。

認可を受けることで、行政から補助を受けることができたり、信頼感が増す効果があります。

例:保育園、警備業、私立学校

 

許可

行政機関に届け出て、その審査に合格することで営業を行うことができます。

本来法的に禁止されている事業に対して、問題なく行えることを審査してもらいます。

許可を受けないと業務を行う事ができません。

一定の預金残高や資本金等の財産的要件をクリアしていることが必要となる場合もあります。

例:飲食店業、風俗営業、古物商、道路旅客運送業、薬局、建設業

 

免許

特定の資格を持っている者が、行政機関に届け出て、定められた要件を満たすことで、法的に禁止されている業務の営業を行うことができます。

許可とは異なり、許認可の要件を満たす資格者の存在が必要になります。

例:酒類販売業、食料品販売業、宅地建物取引業、種類製造業

 

まとめ

以下、主な業種で許可の必要な場合を表にしました。

業  種許認可の種類申請・届出先受付窓口
一般労働者人材派遣業一般労働者派遣業許可厚生労働大臣公共職業安定所
職業紹介業有料職業紹介事業許可厚生労働大臣公共職業安定所
建設業建設業許可国土交通大臣
都道府県知事
都道府県
不動産業宅地建物取引業免許国土交通大臣
都道府県知事
都道府県
旅行業旅行業登録国土交通大臣
都道府県知事
都道府県
ガソリンスタンド揮発油販売業登録経済産業大臣都道府県
貸金業貸金業登録財務局長
都道府県知事
都道府県
薬局薬局開設届都道府県知事都道府県
電気工事業電気工事業開始届都道府県知事都道府県
医薬品販売業医薬品販売業許可都道府県知事都道府県
産業廃棄物処理業産業廃棄物処理業許可都道府県知事等都道府県
旅客自動車運送業旅客自動車運送事業許可国土交通大臣陸運支局
貨物自動車運送業貨物自動車運送事業許可地方運輸局長陸運支局
軽貨物自動車運送業貨物軽自動車運送事業届出運輸支局長陸運支局
倉庫業倉庫業登録地方運輸局長地方運輸局等
酒屋酒類販売免許税務署長税務署
リサイクルショップ古物営業許可公安委員会警察署
骨董屋古物営業許可公安委員会警察署
古本屋古物営業許可公安委員会警察署
警備会社警備業許可公安委員会警察署
自動車運転代行業自動車運転代行業認定公安委員会警察署
スナック風俗営業許可公安委員会警察署
キャバレー風俗営業許可公安委員会警察署
パチンコ屋風俗営業許可公安委員会警察署
麻雀屋風俗営業許可公安委員会警察署
質屋質屋営業許可公安委員会警察署
有料駐車場貸駐車場届出市町村長市町村
毒物劇物販売業毒物劇物販売業登録都道府県知事保健所
理容業理容院開設届都道府県知事保健所
美容業美容院開設届都道府県知事保健所
クリーニング店クリーニング所開設届都道府県知事保健所
旅館旅館業許可都道府県知事保健所
ホテル旅館業許可都道府県知事保健所
民宿旅館業許可都道府県知事保健所
食肉販売業食品製造業許可保健所長保健所
魚介類販売業食品製造業許可保健所長保健所
氷雪類販売業食品製造業許可保健所長保健所
飲食店食品製造業許可保健所長保健所

これらの許認可は、提出先が異なりますし、細かな知識も必要とされるので、専門家に依頼する方が間違いないかもしれません。

期間や費用面でも自分で申請して何度もやり直すよりは、最初から依頼した方が結果的によかったという場合もあります。

具体的なアクションを起こす前に、許認可の専門家である行政書士や都道府県の中小企業支援センター、各地の商工会議所で相談するとよいかもしれません。

 

 

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