相続・遺言

当然に財産をもらえるはずの妻や子でも、相続できない場合がある?

親族の中でも、相続人となれる順番が決められています。

相続人の中でも、必ず相続人となる「配偶者」と第1順位の相続人である「子」がどういった立場なのかについて解説していきます。

自分には相続権があると思ってたら、実はもらえない!なんてことがあるかもしれません。

 

配偶者

相続において「配偶者」は必ず相続人となります。

夫や妻が相続人になるには、被相続人が亡くなった時点で戸籍上の配偶者でなくてはなりません。

法律上の夫婦は、婚姻によって成立して、「一方の死亡」又は「離婚」によって解消されます。

その為、財産が配偶者に受け継がれるには同様に、亡くなった時に相続人でなくてなりません。

よって、亡くなる前に離婚していた場合には、相続人になることができません。

また、同じように夫より先に妻が死亡していた場合も、妻には相続権がありません。

相続における配偶者になるには、戸籍上の配偶者、つまり、婚姻届をして法律上の配偶者になっておく必要があるのです。

つまり、婚姻届をしていない内縁の夫婦は配偶者ではなく、相続権もありません。

但し、夫婦同様に暮らしていた内縁関係にあった方には、借家契約や年金受給権について相続人同様の権利を行使できる場合があります。

補足

内縁の妻は、配偶者として認められないので、保護されませんが、借地借家法には、「居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。」とう規定があります。

また、国民年金法第49条や厚生年金保険法第3条2項のように「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者」を実質、配偶者として扱う場合もあります。

また、2019年7月に施行された改正民法で導入された「特別寄与料」も内縁配偶者には、認められていません。

ポイント

被相続人を無償で介護したり、事業を手伝うなどして財産形成に貢献した相続人以外の親族について、一定の金銭請求を認める制度です。
相続人ではない親族が介護等で貢献してきたのに、全く報われないのは不公平ということで導入されました。
親族に限られているので、内縁の配偶者は含まれません。また、寄与分とは別の制度です。

 

相続において「子」は第1順位の法定相続人です。

配偶者とともに相続人になる場合、法定相続分は、配偶者2分の1。子2分の1となります。

亡くなった方に配偶者がいない場合には、子どもがすべて相続します。

子どもが複数いる場合には、子どもの相続分を頭割りします。

例えば、配偶者と子どもが2人いる場合には、配偶者2分の1。子どもは、4分の1ずつといった法定相続分になります。

子どもの地位は、実子か養子か、男か女か、既婚か未婚か、戸籍の異同、親権の有無、嫡出・非嫡出、国籍の違いで区別されません。

ポイント

「嫡出子」(ちゃくしゅつし)とは、婚姻関係を結んでいる夫婦の間に生まれた子供のことを言います。
「非嫡出子」(ひちゃくしゅつし)とは、結婚していない男女の間に生まれた子供のことを指します。

2013年9月民法改正まで、非嫡出子は嫡出子の半分の相続分と決められており、受け取れる相続分に違いがありましたが、同じ母親から生まれたにもかかわらず、不公平だという観点から、憲法違反だということもあり、民法が改正されました。現在は非嫡出子も法定相続分に違いはありません。

 

親と子の関係

結婚している夫婦から生まれた子は、先ほどの「嫡出子」(ちゃくしゅつし)として、当然に戸籍へ記載されます。戸籍を見ると、嫡出子には実父母が出生時から存在しています。

 他方、結婚していない男女の間に生まれた「非嫡出子」は、出産の事実によって母親は明らかになりますが、父親はそのままでは戸籍に記載されません。

 婚姻関係にない父との間に生まれた子の場合、親子関係は、まず「認知」によって成り立ちます。父から進んで認知することを「任意認知」といい、子やその直系尊属らが裁判によって認知を強制することを「強制認知」といいます。

親子の関係には、法律上いくつか種類があります。下記はその一覧表です。

ポイント

ちょっと聞き慣れない、「準正」という法律用語が出てきました。

「準正」とは、一定の要件のもと、非嫡出子が嫡出子の身分を取得する制度です。

細かな決まりがありますが、「婚姻」や「認知」という要件が揃うことで、非嫡出子は嫡出子の身分を取得します。

現在では、嫡出子と非嫡出子に相続分に違いはなくなっていますので、相続においての影響は少ないです。

 

胎児

胎児について、民法では、既に生まれたものとして扱われています。

もし、胎児に名義を付けようとすると、相続登記においても、胎児は登記名義人となることができます。

胎児名義の相続登記が認められるのは、遺產分割協議によらない、法定相続分による登記に限られますが、登記名義人としての表示は「亡A妻B胎児」と記載され、無事出産した暁には、その名義は、胎児名前に直します。

そこまで急いで名義を付けなくてはならないようなことは、まずありません。

 

父親の推定

子供にとって、親が誰かによって、その後の身分関係が大きく違ってきます。

母親は、出産から親子関係が証明できますが、父親の場合そうはいきません。

そこで、民法では、「妻が婚姻中に懐胎した子どもは、夫の子と推定する」としました。

さらに「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と定めて、子の身分関係をはっきりさせています。

少し上の表にある「推定を受ける嫡出子」とは、民法の推定を受ける子のことをいい、この推定に当てはまらない子を「推定されない嫡出子(推定の及ばない嫡出子)」といいます。

昔から、母親が妊娠している期間は、「十月十日(とつきとおか)」と言われます。これを基準に、婚姻を解消してもこの期間内(約300日)に生まれた子どもは、前の夫との婚姻中に妊娠したと推定すると、明治の旧民法で定め、現在もこれを受け継いでいます。

しかし、赤ん坊は実際には270日前後で生まれてくる子もが多いので、離婚後、すぐに別の男性の子供を妊娠した場合には、法的に前夫の子と推定されてしまいます。

前の夫と別居して、離婚するまでの間に今の夫との間にできた子どもや早産のような場合にな問題が起きています。

 

 

 

 

 

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