相続・遺言・登記

相続登記をするために所有不動産の登記簿を調べる4つの方法

2020年8月1日

不動産の所在が判明した後の「登記簿の調べ方」について解説致します。  

 

登記簿の調べ方

相続登記をして、不動産の名義を変更するということは、登記簿に記載されている所有者を書き換えることです。

その為、まずは登記簿の情報を確認しなければなりません。 相続登記の対象となっている不動産の内容が、どういう状況になっているかを調べます。

不動産の場所はわかっていても、登記簿の中身を見たことがないという方は、多いのではないかと思います。

少し前までは、登記簿謄本を取って確認しておりましたが、現在は登記の内容も紙の媒体からコンピューターに移記されて、情報として扱われています。

その為、現在は「登記事項証明書」という名前の証明書が発行されるので、「法務局」で事前に調べた不動産の所在地を元に取得して把握する作業となります。

登記事項証明書の見方や取り方も、慣れていないと分かりにくいものですので、取り方から見方のポイントまで順番にご説明致します。  

 

登記事項証明書

登記事項証明書とは、「不動産の所在」や「地番、家屋番号」「面積」といった物理的状況に関する情報と「所有者」が誰であるかといった「権利」に関する情報が掲載されています。

個人情報の管理が大切な時代ですが、登記事項証明書は誰でも取得することができます。

個人情報は大切ですが、不動産の内容を一般公開することで、その状況が誰にでもわかるようにし、取引の安全と円滑を図らせています。

具体的な登記事項証明書を取得する方法は、法務局に用意されてある「登記事項証明書交付申請書」に所在地を記載して取得します。

登記事項証明書の取得方法

この交付申請書は、直接法務局に足を運んで、取得する際に利用しますが、他にもいくつか登記事項証明書を取得する方法があります。

具体的な請求方法として,次の3つの方法があります。  

 

①管轄登記所又は最寄りの登記所の窓口に請求書を提出する方法

直接法務局へ行って登記事項証明書を請求します。

どこの法務局へ行っても取得することができます。この場合、1通600円の手数料が必要です。

手数料は収入印紙を交付申請書に貼り付けます。郵便局やコンビニで買えますが、法務局でも販売されています。

少し手間がかかりますが、その場で質問できるので、一番簡単な方法だと言えます。  

 

②請求書を管轄登記所又は最寄りの登記所に郵送する方法

郵送で交付申請書を郵送して送り返してもらいます。

この場合も1通600円の手数料が必要ですが、切手を貼った返送用封筒も同封する必要があります。

どこの法務局へ送付しても、発行してもらえますが、取得したい不動産を管轄している法務局へ送付した方が間違いありません。

 

③オンラインにより交付請求をする方法

インターネットで登記•供託オンライン申請システムが利用できます。

「登記ねっと供託ねっと」というホームページから申請できます。

登記事項証明書の受け取り方法も指定した法務局窓口で直接受け取る方法と郵送かを選ぶことができます。

この場合、手数料が少しやすく、登記所(法務局)で受け取る場合は、1通480円。

登記所(法務局)から送付して受け取る場合は、1通500円(送料込み)。

となっています。 この場合の支払い方法は、ペイジー、インターネ ツ トバンキング、モバイルバンキングといった方法で納めることになります。

 

 

請求上の注意点

登記事項証明書を取得する際に、不動産の所在と地番を記載します。

お住まいの土地を取得する場合、住所を記載してしまうかもしれませんが、不動産の所在と住所は別の考え方で定められています。

住居表示とは?

  住居表示を実施している地域と実施していない地域があります。 住居表示を実施していない地域では、土地の所在地の地番を住所の表示にそのまま使っていますが、訪ねようとする「おうち」や「お店」、「会社」を探す時「番地」ではなかなか見つからなかった経験があると思います。 土地が分合筆などをされていくと地番が順序よく並ばすに分かりにくくなります。 そこで住所をわかりやすく表示するために都心部では、別途住所を定めているのです。

 

ご自身の住所が、「○番地○」ではなく「○番○号」となっていて「号」が使われている場合は、住居表示実施地域にお住まいで、土地の所在と住所が異なる地域です。

 

不動産の所在•地番•家屋番号の調べ方

前回ご説明しました「名寄帳」や「納税通知書」を見るほかに、法務局で「地番検索システム」や「ブルーマップ」を利用する方法もあります。

「地番検索システ厶」は、法務局に備え付けられていて、タッチパネルで調べることができます。

住所から地番を照合できる機械です。 地番検索システムがない法務局においては、「ブルーマップ」という住所と所在が記載されている地図帳を閲覧して調べることができます。

ただ、法務局によってどちらもあったり、なかったりしますので、事前に問い合わせるといいでしょう。ま

た、電話で土地の所在を教えてくれる法務局も多くあります。

下図の様なプレートが貼ってあるお宅は、住居表示地域です。  

登記情報提供サービス

「登記情報提供サービス」は、法務局が保有する登記情報をインターネッ卜上で確認できる有料サービス」です。

オンラインで登記事項証明書を取得する方法と似ていますが、あくまで情報の提供だけで、証明書ではないため、法務局で発行される登記事項証明書と違い、法的証明力はありません。

確認用に利用することを想定していますので、役所や金融機関では、証明書の提示を求められることが多いので使用できません。

登記情報はPDFファイルで提供され、パソコン等で保管しておくには、大変便利なサービスです。

但し、登記情報提供サービスを利用するためには、パソコンの利用環境とクレジットカードの登録が必要となります。

ただ、慣れていないと、かえって時間がかかってしまうかもしれませんので、法務局に行った方が早いかもしれません。 パ

ソコンの扱いが得意な方は、利用してみて下さい。

費用も情報だけですので、登記事項証明書よりも安く1つの不動産につき、334円で確認することができます。  

 

まとめ

登記簿の内容を把握する方法もいくつかありますが、日常的に登記簿の内容を把握する必要は通常ありません。

相続により名義変更をする為だけなら、法務局に行った方が分かりやすくて、かえって手間や時間もかからないかもしれません。

お仕事で不動産の調査をする方や、故人が所有していた不動産の数が多い方には、費用も安いので、登記情報提供サービスを利用された方が、お得に調べることができます。  

 

 

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