建築してから40年以上経っているアパートの修繕工事も終わり、融資を受けた通帳の残高も、かなり寂しくなりました。
すっかり、フルローンのつもりでいたのですが、諸経費までは融資が下りなかったので、既に前オーナーから引き継いだ入居者さんの保証金までも使い込んでおります。
古い収益物件は、手間がかかる!?

いつか返さなくてはいけないお金です。
何としても収益を上げて、貯めておかないと大変なことになりそうです。
しかし、早くローンを終わらせたい気持ちから、返済期間を短めにしたため、収入と支出が結構ギリギリのラインになっています。
そして、契約してから、残代金の決済までに退去者も出てしまったので、現在3部屋も空室の状態です。
しかし、入居者の募集という、収益に直結することばかりに目が向いていますが、古い物件に付きものの問題が次から次へと発生してくるのです。
空室リスクは付きもの

管理会社を通じて、賃貸仲介業者に広告を出してもらうことにしました。
自社のサイトに出すだけなので、費用もかからないそうです。
広告には、募集条件を色々と決めないといけないので、不動産業者の彼に相談しました。


キャンペーン?
詳しく聞くと、入居してもらいやすい配慮をした方がいいよってことでした。
家賃で勝負すると首が絞まる
僕の購入したアパートは、いくら修繕しても建物の古さは隠せません。
おまけに内装をリノベーションするお金も残っておりません。
当たり前ですが、家賃を下げると入居してもらいやすくなる代わりに、収益が減ります。
でも、空室が一番の損失なので、何とかしなくてはなりません。

なるほど色んな方法があるものです。
色々と策を練っていると、管理会社のAさんから連絡が入りました。

そう思って、電話に出てみました。
入居もあれば、当然退去もある
期待して話を聞いてみると...


うーん、これで4部屋も空く状況になってしまいました。
収益を増やすどころか、毎月のローン返済額の方が多くなってしまいます。

ということで、退去の立会も代行してもらいました。

長年入居してもらっていた方ですので、それなりに痛んでいるはずです。
預かっている保証金で部屋をきれいにしようと考えておりました。

壁紙張り替えて、畳も変えて、ハウスクリーニングもしてもらったら、保証金だけでは修繕費に足らないけど、これまで長年お世話になった入居者みたいだから、追加請求まではしないようにしてあげなくちゃな。
そんな風に考えておりました。
すると...

どうやら、退去時の請求が心配で付いて来てもらったらしい。
これも選挙活動の一環なんだろうか...
まぁ、いいや。
契約書を見たら、「賃借人は、本物件を原状回復しなければならない。」って書いてるし、任せておこう。

もし、内装を直して、保証金があまったらお返しするねって言っておいて下さい。


元通りにするのが、賃借人の義務じゃないの?
「原状回復義務」の意味
賃借人が、入居時に支払うお金の中に、「敷金」や「保証金」があります。
このお金は、入居者が汚したり、損傷させた部屋を、原状回復費用に充てるために、大家が事前に預かるお金です。
大家側は、敷金や保証金を預かっておくことで、家賃が滞納された時に、充当することができるのです。
敷金や保証金と地域等によって呼び方が異なっても、家賃の担保として預かるお金の場合、その扱いは同じです。
しかし、しばらく前まで、入居者の原状回復義務について、負担の範囲が明確ではありませんでした。
入居者の退去時に、敷金返還トラブルが多かったので、平成10年に国土交通省が、裁判例や取引の実務等を取りまとめたものが「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」です。
国土交通省のガイドライン
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復をこう定めています。
「原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
つまり「普通に住んで自然にできる汚れや損傷は、入居者の責任ではない」ということです。
修繕は大家の義務
よく考えたら、数十年も住めば、誰が使っても内装だって痛みます。

結局、どんな人付いて来ようが、結果は同じで関係なかったのです。
入居者が、不注意で壊したり、故意に傷を付けた様な場合でなければ、大家負担なのです。

では、次の入居者を募集するためにも、内装の修繕をお願い致しますね。

空室をほっておいても、利益が上がるわけではありません。
賃料収入を得るために、空き部屋の修繕をしないと、入居もしてもらえないのです。
お金をかけて仕入れた商品に、利益を乗っけて販売する。
お金をかけて部屋を修繕し、賃料払って入居してもらう。
普通の商売と理屈は同じですね。
次々と不具合が出始める
この退去を皮切りに、古い収益物件を扱うことの意味を、僕は身をもって知ることになります。








すぐに直します。(本当でした)
このアパート、古いだけにどんどん不具合が出て来ます。
そういえば、仲介業者の彼が言ってたなぁ。

なるほど、こういうことか...
家賃減額の申出
もう融資で借りたお金も使い切ってしまったので、ついに自分の貯金を取り崩して、修繕をしなくてはならなくなりました。

そう思っている僕のところへ、管理会社のAさんから連絡が入ります。

もうAさんからの電話が恐くなっています。


話を聞くと、前の所有者にはお世話になっていたから、ずっと住んでいたけど、オーナーチェンジしたんだから、家賃下げないと出て行くと言っているようでした。
既に出費ばかり多くて、僕は、気が滅入っています。
更に空室が増えて、ローンを返せなくなる恐怖が僕を襲ってきます。
数ヶ月間空室になるくらいなら、家賃がなくなるよりましだから、下げるしかないかぁ。

次から次へと起こる問題に対処していると、もう、シミュレーションゲームでもプレイしている気分になってきます。
選択肢
殿様、隣国が攻めてきました。
→ 合戦を
する?
しない?
こんな気分です。
しかし、これは現実です。しっかりと対応しなくてはなりません。
空室リスクはさることながら、もしもの為に保険にもしっかりと入っておかないと行けません。
入居申込者が現れる
これで空室は4部屋。
ホントに募集してるのかなと、僕も自分で自分の収益物件を検索とかし始めています。
自分で検索しても、すぐに見つからないのだから、そんなに簡単に入居者が入る訳がないんです。
しかし、ここで入居の打診がありました。


別に偏見がある訳ではありません。
でも、大きな音を出したり、習慣の違いで、先に住んでいる方へ迷惑がかかることの方が心配でした。

まとめ
ようやく建物の修繕も終わって、大家業が始まったのですが、問題ばかり起きてきます。
しかし、収益物件に限らず、古い建物に不具合が出ることは想定しておかなければなりません。
新築と違い、「手がかかる」ことを理解していなかっただけなのです。
本来は、固定資産税や税理士報酬といったランニングコストの他に、空室リスクや細かい修繕費も考えて、返済期間を決めなければなりませんでした。
自分の貯金を取り崩して、収益物件のローンを返す状態になってしまった僕は、入居者の募集をしなければと、奮闘するのでした。
続く