相続・遺言・登記

大切な家族を亡くした後、落ち着いてからでいい手続も早めが無難です

前回まで、大切な家族が亡くなった場合、やらなくてはならない手続きを時系列で4つに分けて、急がないけど、ほっておけない手続きまで、ご説明しました

  1. 亡くなった直後に必要な手続き
  2. 葬儀後お御礼が済んだ頃にする確認事項
  3. 急がないけど、ほっておけない手続き
  4. 落ち着いてからでもいい手続き

今回は、落ち着いてからでもいい手続きについて解説致します。

法的な義務がない手続きや、変更しなくても生活に支障が出ないようなものは、比較的ゆっくりやっても、困りません。

とは言え、他の相続人と話ができる内に済ませておかないと、できるものもできなくなってしまいます。

 

不動産や預貯金の名義変更

預貯金や不動産自体の名義変更自体には、期限はありません。

亡くなった方の預貯金を使わないと、生活ができない場合や、亡くなった方名義の不動産を売りたい場合でなければ、ゆっくりやっても大丈夫です。

 

遺産分割協議

「遺産分割協議」とは、相続が発生した際に、相続人全員で故人の不動産や預貯金といった、遺産の分配について話し合い、合意することです。

法定相続分や遺言の内容と異なる割合で相続分を決めることもできます。

 

遺産分割協議に署名押印する人

遺産分割協議をするにしても、名義変更を扱っている金融機関や役所に、誰が相続人であるのかを説明しなければなりません。

相続人全員で、遺産分割協議をしなければ、有効に成立しないので、相続人の全員が協議に参加していることを証明します。

相続人の全員が署名と実印の押印をしなければなりません。

相続人であることの証明書類は、もっぱら戸籍を用いますが、戸籍以外の書類も必要になる場合があります。

詳しくは、こちらをご参照下さい。

 

遺産分割協議が揉めてしまったら

遺産分割協議は、相続人全員が同意しなければ、成立致しません。

相続人の内、1人でも納得しない方がいると、不成立になってしまうのです。

多数決で決められるような制度も定められておりません。

急ぎ過ぎると勘ぐられ、のんびり過ぎても、今更って思う方もいらっしゃるかもしれません。

四十九日や一周忌といった、何かの節目を利用して、お話し合いの機会を設けると、自然な話し合いができるかと思います。

もし、揉めてしまった場合の解決方法は、こちらをご覧ください。

 

ゆっくりやれないケース

亡くなってから、何十年も放置すると、更に亡くなる相続人が出てくるかもしれません。

やはり、縁が近くて、話し合いができる内に、済ませておく方が無難です。

そんな遺産分割協議も、のんびりやれない場合があります。

以下の様な場合には、期限があるので、注意が必要です。

 

相続税が出る場合

この遺産分割協議には、期限がありませんが、相続税が出てしまいそうな場合は、早めに協議が成立しないと、余計に税金を払わなくてはならなくなります。

相続税の申告期限と納付期限は「相続の開始の翌日から10か月後」、すなわち、亡くなった日の10ヶ月後の同じ日です。

相続税の期限を過ぎてしまうと、特例が受けられなくなったり、無申告加算税や延滞税などのペナルティがかかるので、かなり不利益を被ってしまいます。

相続税が出る場合は、申告期限を必ず守れるように、遺産分割協議を進めなければなりません。

 

相続放棄をする場合

相続人に引き継がれる財産は、プラスの財産だけでなく、借金のようなマイナスの債務も引き継がれます。

負債を抱えたくない場合には、相続放棄をしなければなりません。

しかし、相続放棄ができるのは、相続が始まったことを知った時から、3ヶ月以内と決められています。

相続放棄の詳しい手続きや、期限を3ヶ月以上に伸ばしたい場合等は、こちらを御確認下さい。

 

 

復氏届と姻族関係終了届

配偶者が亡くなると、結婚前の旧姓に戻すことができます。

また、配偶者の親族との法的な関係も終わらせることができます。

 

復氏届

配偶者の姓をを旧姓に戻す手続きを「復氏届」といいます。

復氏届により旧姓に戻るのは本人のみで、子どもはそのまま配偶者の戸籍に残り、姓は変わりません。

子どもの姓を変更して、同じ戸籍に入れる場合は、家庭裁判所の「子どもの氏の変更許可」が必要です。

許可が下りた後に、「入籍届」で同じ戸籍に入ることができます。

復氏届自体には、家庭裁判所の許可は不要です。

市役所に届けるだけですることができます。

 

姻族関係終了届

配偶者の死後に、配偶者の血族との法的な姻族関係を終了させる手続きを「姻族関係終了届」といいます。

こちらも、家庭裁判所の許可は、不要です。

戸籍の状態もそのままです。

残された配偶者自身がする手続きで、亡くなった配偶者の親族側では、手続きできません。

配偶者の姻族関係が終了しても、亡くなった配偶者の子どもと親族の関係は、変わりません。

 

期限がない

この2つの手続きには、期限がありません。

配偶者の死亡届が提出されていれば、いつでもこの手続きを取ることができます。

配偶者の血族の同意は不要で、自分の意思だけで可能です。

また、この手続きをしたからといって、相続関係に変更は起きません。

しかし、配偶者の親戚筋と縁を切ったような、印象を持たれるかもしれません。

自分と相手との関係性を考慮して、慎重に判断しなければなりません。

 

まとめ

今回ご説明した手続きは、公共料金や、亡くなったかが交わしていたサービスの契約変更手続きと違って、ほっておいても、毎月の料金が発生するものではありません。

しかし、いつまでも手続きせずに放置しておくと、自分の次の代である子どもや孫が、苦労するかもしれません。

何か特別な事情でもない限り、なるべく1年以内には、全ての手続きを終わらせた方が、一周忌の墓前で報告することもできます。

どんな手続きも、気持ちの整理が付いたら、早めに終わらせておいた方が、間違いありません。

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