入居者の皆様に、大家が変更されたオーナーチェンジの通知書も出して、いよいよ僕のアパート経営が始まりました。
と言っても、管理会社にお任せしたので、まだこの時点では、毎月家賃収入の報告だけ受け取ればいいやと安易に考えています。
しかし、やることはかなり残っており、まずは建物の修繕から始めます。
建物修繕工事
改めて修繕工事の御見積書を見ると
・外階段の腐食部分の補修補強
・通路や建物の水漏れ防止コーキング工事
・建物劣化のため全体塗装
・排水管の清掃
・消防用設備の点検
修繕業者にやっていただくことが結構あります。
前オーナーは、点検等を定期的に行っていなかったようです。
いいか悪いかは置いてといて、管理会社へ委託せずに、ご自身で管理をしていたからなので、僕は当然点検を定期的にしてもらわないといけません。
管理会社からしたら、点検していない建物設備に不具合が起こっても、管理し切れないと思いますので、仕方ありません。
これもまた、結構費用がかかります。
修繕しようと思って、一緒に建物を見に行ったところ、長く住んでおられる方が、ベランダに洗濯機を置いていたりするので、一旦どかしてもらわないと塗装をすることもできません。
その辺のお願いは、全部修繕業者や管理会社の方がやってくれます。

これを全部自分でやると、かなり大変です。
当然料金に含まれておりますが、副業にストレスを抱えていては、続けられないので、徹底して任すことにします。

平成30年台風21号が直撃
いよいよ修繕工事にかかろうとしていた時に、台風シーズンが到来しました。
大家になって間がないというのに、25年ぶりの「非常に強い」勢力の台風が直撃です。
平成30年台風第21号「チェービー」です。
最大瞬間風速は、記録的な暴風となり、全国100の観測点で観測史上最大値を更新した台風でした。
詳しいことはよく分かりませんが、サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールでカテゴリー5の スーパータイフーンだった様です。
僕の自宅の瓦屋根も何枚か、飛んでいったのですが、当然築年数の古いこのアパートも、やはり損害を被ってしまいました。
被害状況
管理会社の方から、破損箇所が何カ所もあることを報告してもらい、修繕を促されます。
幸か不幸か、全体の修繕をする前だったので、修繕業者の方に台風被害の補修も一緒にお願いして、点検してもらいました。
ベランダ隔て板破損。
縦樋ジョイント部破損。
アルミ枠変形。
外部軒天井板の外れズレ。
外部軒天井板の外れ落下破損。
致命傷はないものの、結構な破損です。
大家の責任
何かいいこと書いてないかなぁと、念のため、売買契約書を見返します。
当たり前ですが、売買が完了して、引き渡しが済んでしまえば、今後の責任は買主が負います。
特約にもどんな建物であるかが、しっかり書いてあります。
そりゃ名義が変わってから建物が壊れても、天災なので売主に文句は言えません。

そんなこと言っても、事業主としてオーナーになった以上、自分の責任で何とかしなくてはならないのです。
ちゃんと民法にも定められています。
民法第606条(賃貸物の修繕等)
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
大家の修繕義務
大家の修繕義務の範囲について明確に明文化がされているわけではありません。
場合によりますが、原則として入居者に過失がなく、使用収益することに支障がある場合は、大家側の負担で修繕をしなくてはなりません。
これは天災などの不可抗力による破損でも、修繕義務を免れることができません。
経年劣化の自然損耗以外の修繕は、大家の責任です。
大家業の責任を感じて、この先が恐くなる僕でしたが、まだ安心材料を持っていました。

風災・ひょう災・雪災事故内容報告書

不動産業者の彼に相談してみました。
代理店に相談してみて下さい!

融資を受けた金融機関で一緒に火災保険に入りましたので、台風被害にあったことを話しに行きました。

保険会社に連絡しておきますね~。

と、あっさりしたものです。
申し込んだとは言え、金融機関が代理店だったこともあるのか、たいしたことはしてくれませんでした。
ただ、そんな手をかける必要もないだったみたいで、後日書類が郵送されて来ました。
書類の内容どおりに書いていきます。
書類自体はあっさりしています。
簡単な見取図も書きましたが、たいした図は描いていません。
これに修繕業者さんからもらった「修繕費用の御見積書」と「被害状況を写した写真」を同封して送りました。
保険金の支払い
送付してしばらく経つと...
時系列的には少し先ですが、ポンッと50万円程振り込まれました。

保険を使うことがあまりないので、あっさり振り込まれて、拍子抜けしました。
この時は、日本中で被害が起こっていたので、保険会社としても、現地を見に来る余裕もなかったのかもしれません。
保険の大切さを身に染みて感じました。
建物修繕・排水管の清掃
建物も修繕工事に入り、一緒に排水管の清掃もしてもらいます。
足場も設置され、いかにも修繕中になりました。

排水管も高圧洗浄してもらいます。
台所のシンク
風呂場
屋外の枡
水回りは特に大事です。
水漏れがあると、あわてて対応しなくてはならなくなります。
正直、どこまできれいになったのか、写真では違いがよく分かりませんが、しっかりと洗い流してもらいました。
消防用設備点検
消防用設備として、「消火器具」や「漏電火災警報器」もしっかりと点検してもらいました。
もう台風被害や、火事や地震も起きて欲しくはありませんが、対策は完了です。
市へ提出した消防用設備等点検結果報告書の副本もいただきました。
書類を見てみると「消防法第17条の3の3の規定に基づき報告します」とあります。
気になったので、条文を見てみました。
消防法第17条の3の3
防火対象物の関係者は、消防用設備等又は特殊消防用設備等について、定期に点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。
うーん。どう読んでも定期点検が義務づけられていますね。
改めて契約書の特約を見返してみます。前の所有者さん、やっぱりやってない...

しかし、文句は言えません。
だって、契約書に書いてあるんですから...
僕は分かった上で買っているんです...
まとめ
幸か不幸か台風で破損した部分も、事前に依頼していた修繕工事部分と一緒に直してもらいました。
突然の天災や不可抗力の破損は、大家側の責任で直さなければなりません。
だんだんと収益物件を運用することがどういったことか、分かりかけて来ました。
「貸主の修繕義務」「火災保険金の請求」「風災事故報告」「消防用設備点検」
いつまでも勉強になります。
僕も契約書はしっかりと読んでいたつもりでした。
しかし、書いてある内容を理解する力が足りませんでした。
普通の文章として読んでしまい、書いてあることの重大さを読み取る力が不足しています。
仲介業者がアドバイスをしてくれても、知識に差があるので、同じ認識とは限りません。
分からないことに当たった時は、何となくやり過ごさずに、しっかりと調べて理解していかないと、いつまでも素人のままです。
学ぶチャンスが来たと思って、しっかり勉強しないといけないですね。
続く