生活

歯を失くした僕の経験から歯列矯正とインプラント治療のオススメ

 今回は、歯を失くしてしまった方が、最もおいしくご飯を食べられるようになる治療法を御紹介します。僕自身が長年苦労してきましたので、これから歯の治療で歯列矯正やインプラント治療を検討されている方の参考になれば幸いと思い、自分の経験を踏まえてご説明致します。

インプラント治療とは

 インプラントってご存じでしょうか?体内に埋め込まれる器具の総称なのですが、今回は、チタン製あるいはチタン合金製の支柱を顎の骨に埋め込み、それを土台として失くした歯を修復する治療のことに限定致します。

 一般的な治療の流れは、インプラントをあご骨の中に埋め込んで、インプラントと骨が十分に接着するのを待ってからその上部に歯を形成します。インプラントと骨が接着するまで、結構な時間がかかります。インプラントを埋め込む前に骨を増やす手術などが必要な場合には、1年以上待つこともあります。

 外科手術なので、当時事故や合併症のリスクがあることが報道でも取り上げられていて、僕も知人から止めておいた方がいいのではと忠告してもらいました。でも、幸いにも信じられる先生との出会いがあり、思い切りました。

根が結構長いんです。

歯を失くしてから、インプラント治療に出会うまで

歯を失くしたときの症状・状態

 僕はこどもの頃に自転車で転んでしまい、前歯が一本抜けてしまいました。真ん中の前歯2本のうち1本が根元から完全に抜け、もう一本は半分に折れてしまい、神経も死んでしまったので、数年経つと色が黄色くなってしまいました。

歯を失くした経緯

 思い起こすと小学校3年生の夏休みの早朝に、友達と遠くまで自転車で行こうと、張り切って家を出たら、家から30メートルくらい場所で道路に小さな穴が空いていた為に、ハンドルを取られて体だけが投げ出されてしまいました。

 顔からと言うよりも歯から直接地面に激突したので、無事で済む訳がなく、気が付くと目の前に転がる歯を見ながら、地面に横たわっている状態でした。傍らに転がる抜けた歯を見ながら、歯ってこんなに長いんだなんて見えていない埋まっている部分の長さに驚いていると同時に、こども心に絶望していた記憶があります。

歯が抜けた時の処置

 幸い?にも家のすぐ横で転びましたから、すぐに帰宅することができました。でも早朝だったので、歯医者の診療が開始するまで待って、駆け込み、診てもらいました。その日は、抜けた歯を元の抜けた場所に入れ直したのですが、この時の痛みは今でも忘れません。瞬間的な痛みなら、僕の人生で3本の指に入るくらいの痛みでした。

 この時、歯医者の先生と母親の会話で覚えているのが、母は歯が血だらけだったから洗ったそうで、先生が牛乳に漬けて持ってきてくれた方がよかったのにって話しているのが聞こえて来ました。その時は、そんなものかと思っていましたが、母親のよかれと思って取った行動が、結果を大いに異なるものにさせてしまったようです。

 いまなら、どんなこともある程度は、ネットですぐに調べられる便利な時代ですが、当時はそんな便利なものはありません。今更ながら思い出したこの会話の内容を調べてみたら、本当にそのとおりだったみたいです。40年弱の月日を跨いで、この記憶を思い出しました。

歯が抜けてしまった場合の対処法 

 抜けた歯をもう一度元に戻すことができるかどうかは、抜けてからの時間が短く、かつ歯の周囲についている歯根膜という膜をどれだけ正常な状態で残すことができたかどうかにかかっているそうです。

 でも、この膜が非常にデリケートで、異なる浸透圧の液体の中に漬けると破壊されてしまうみたいで、人間の体液に比べて非常に浸透圧の低い水道水に長時間漬けてしまうと、膜が破壊されてしまうのに対し、牛乳は比較的体液に浸透圧が近いので、膜を破壊することなく乾燥を防ぐことができるとのことでした。

 照らし合わせると僕の母は、見事に歯の膜を破壊してしまったようです。おまけにちゃんと丁寧にこすって拭いてくれたようですから。

当時知っていれば...

折れた歯の対処法

もう一本の方はエッヂング(ざらざらに)させてレジンで継ぎ足してくれました。でも定期的にすり減って行きますし、今でも黄色いままです。本物の歯って機能的に優れているんですね。

埋め戻した後の経過

 それでも、人間の体は不思議なもので、10年弱はちゃんと機能してくれました。でも、気が付くと歯の中が溶けてしまったようで、スカスカになってしまい、表面が卵の殻のようになって、割れて行きました。見ると中に空洞ができていしまい、最後は高校の廊下で同級生とふざけていたら、折れてしまいました。

失った歯の代替プラン

 歯を失くしたときの治療方法はいくつかあるのですが、この時は、不完全な状態とは言え根っ子が残っていましたので、真ん中に穴を空けてそこに差し込む差し歯になりました。当然棒で刺さっているだけですので、接着しているとは言え、よく取れて失くしたり、朝起きたらないこともありました。たぶん寝ているときに飲んでしまったのかもしれません。当時、男子とは言っても、思春期にはなかなか厳しい経験でした。

まさしくこんな感じでした。恐いでしょ。

差し歯の予後

 結局不完全に残っていた穴を空けた根っ子も抜き去り、入れ歯を作ることになりました。一本だけなので負荷が大きいのか、その入れ歯もしょっちゅう壊れて不便な思いをしながら、歯医者に通わなくてはならなかったことを覚えています。あまりにめんどくさいから、自分でかってに接着剤でくっつけては、よく怒られてました。

インプラント治療を知り、歯列矯正から治療の流れ

インプラント治療の存在を知る

 そんな不便な歯と付き合いながらも30才を超えた頃に、チタンのネジをあごの骨に打ち込むインプラントの治療が、世間でも一般的になって来たのか、僕の耳にも聞こえて来ました。知り合いの歯医者の先生が話しているところを聞いたのですが、その場ですぐ相談して、やってもらおうとクリニックに飛び込みました。でも、こどもの頃に抜けてしまったせいで歯と歯の間が狭くなってしまい、歯の入る隙間がないからインプラントができないって言われてしまいました。

歯列矯正

 その時の僕は、誰も気にしていない自分が歯を失くして感じていた劣等感や苦労から、どうしてもインプラントを入れないと気が済まなくなっており、そのまま歯列矯正をして整えた後のインプラント手術までする決意をしました。ただ、そこからが長くかかり、結局お願いしてから、治療が終わるまで足かけ5年くらいかかることになるとは、この時思ってもみませんでした。

 歯の治療ってどうしても痛みが付きもので、歯列矯正もやはり痛いものでした。動かない歯に少しずつ圧力をかけて動かすんですから、そりゃ痛いですよね。全ての歯に金具を付けて定期的に締め直すのですが、締め直した翌日くらいが一番痛いんです。さらによく口の内側を噛むんです。そりゃ食事中、歯だけでも噛むことがあるんですから、余分な金具が付いていれば余計に噛みますよね。

約3年間の矯正治療

 ここからはひたすら根気でした。月に1回程、毎回歯医者さんならではのあの長い待ち時間を経てから診察を受けます。締め直すときは別ですが、経過チェックだけの時は、診察時間5分程度で終わってしまうんです。長時間待ってこれは、なかなか気持ちがしんどいかったですね。

 ただ、歯が実際に動いていくのは、自分の常識と照らし合わせるとあり得ない現象でしたから、感動モノでした。インプラントだけ入れれば、気が済んだのですが、結果的に歯並びがよくなったのは副産物でしたね。と言っても元がひどいので、完璧とまではいきませんでしたが。

歯列矯正終了

 長い歯列矯正が終わり、やっと金具を外す時が来ました。この時の開放感と言ったら、言葉で表しようがありません。金具を外してからもしばらく歯が動くので、寝るときにマウスピースを付けて寝なくてはいけないのが、ちょっと辛かったです。

 矯正担当の先生とインプラント担当の先生が違う方なんですが、晴れて矯正が終わったときにインプラント担当の先生に交代して言われた言葉が、土台のあごの骨がインプラントを刺すほどの厚味が残ってなかったから、ブリッジという方法でやりませんか?って聞いて来るんです。

 ブリッジとは、前後の歯の根元を削って見えないように金具で橋を架けるような、間の歯を固定する治療法です。インプラントをするためにここまで長い年月を費やしてきたのに、それはないだろう!って結構腹が立ちました。

骨の移植手術

 先生に怒りたかったけど、今後の治療もあるのでなかなかきつく言えないですよね。でも、ホントにそりゃないよ~って感じです。それで、どうしたかっていいますと下あごの歯の根元の歯茎を切開して、下あごの骨を上あごに移植するといった治療の提案でした。そんなことしなくちゃいけないなんて知ってたら絶対にやらなかったのに~って思いましたが、もう後には引けません。やるしかないのです。

 そこは結構設備がしっかりした歯医者さんで、手術室もありました。日を改めて手術着に着替え、腕から麻酔を入れて、全身麻酔じゃないんだけど、入れますね~って言われた瞬間落ちました。気が付くと終了。親知らずを抜いたときの方が、痛かったくらいです。比べればですけど。もう治療が長すぎて痛みの度合いの感覚がマヒしています。

 この時、麻酔に人間は絶対に勝てないことを悟りました。落ち具合凄いですよ。

ホントにガチ手術

骨の養生~インプラント手術

 手術終了からしばらくは骨が定着するまで養生です。半年くらいしてからやっとインプラントの手術をしました。つくづく待たせますよね。手術自体は、骨の移植の時と同じで気がついたら終わっていました。あれ、歯茎の部分になんか異物があるって感覚です。

 手術後も結構たいへんで、インプラント周りに血が溜まらないように、常時押さえなくてはいけないのですが、その為に顔へテープを貼るんです。肌色とは言えかなり仕事上の支障を来します。と言ってもここまで色々と歯にまつわる出来事があり過ぎて、すっかり慣れていました。矯正中は飾りの歯を横の歯にボンドでくっつけていた程度だったし、インプラント手術からしばらくは歯抜け状態ですし、ここでも感覚がマヒして、顔に貼ったでかいテープなんて、恥も外聞もなくなっていましたから気にもしなくなってました。どうにでもしてくれって感じの開き直りですね。

 その後、何とかネジが定着して、やっと歯をつけるんですが、出っ張っているネジに歯を取り付けるだけなのに、もの凄く痛かったんです。今でも理由が分かりません。痛いことばっかり!

 しかし、この治療にいくらくらい払ったんだろう。最初に提示された矯正の料金やインプラントの手術代の他に毎回行く度の診療費は別個に5000円(取られていた)お支払いしていた気がします。先ほど書きましたが1時間待って診療が5分で終わって5000円かよ!って口に出して言えずに憤慨してたから覚えています。

治療完了後の生活

使用上の注意

 更に憤慨したのは、治療完了時に「インプラントは飾りと思って、力を入れて噛まないようにして下さい」と言われてしまったことです。確かに構造上言われてみれば、そりゃそうなんですが、こっちは普通の歯と同程度に使えると思ってるんです。後出しが多すぎて過ぎて泣けて来ます。おまけにメンテナンスが必要なので、定期的に来て下さいというおまけ付き。それも中々しんどいです。その頃は30代。治療完了まではと頑張りましたが、そんなにヒマじゃなかったのが辛かったですね。今もヒマじゃないですが…

メンテナンスの必要性

 結局定期的なメンテナンスには、すぐに行かなくなってしまいました。一旦治療が終わってしまうと糸が切れたのか、あれだけ通った歯医者へ行くのもおっくうになり、今では幸い何事もなく10年以上経過しています。

 歯については、人並み以上に苦労してきたけど、結果的にインプラント治療をやってよかったなぁと思います。最初はその歯の部分だけが冷たい気がして、温度を感じられずに違和感がありました。先生の脅し?もあったせいか、力を入れて噛むのも恐かったんですが、慣れって恐いですね。ついガンガン噛んで普通の歯と同じように使ってしまっています。

 でも、本当に固いやつは無意識にやめてますね。何度も差し歯や入れ歯を壊した経験上、一見ソフトクリームみたいな形をした固いアイスクリームありますよね。あれが一番危険なんです。前歯がアイス部分に深く刺ささり、テコの原理で根元から持って行かれるんです。僕の中の要注意アイスです。

このタイプです。

 雑に使っているのでこの辺でメンテナンスに行かなくてはいけないなぁと感じています。かなり遅いですが。

インプラントの寿命

 ただ、インプラントにも寿命があるようで、素材のチタン自体は腐食しなくても自分の骨が歯周病とかで衰えると使えなくなるようです。でも、他の治療法に比べても使い勝手や使える期間は優れています。僕の場合は前歯だったのと歯列矯正があったので、治療に熾烈を極めましたが、歯が失くしてしまった方がまた自分の歯があるときと同じようにご飯を食べられるので、かなりよい治療法です。

総括

 僕はたった1本の入れ歯でしたが、入れ歯ってご飯が究極にマズくなるんですよ。なので、何かの事故とかで歯を失くしてしてしまった方には大変オススメです。でも、この記事を読むと恐くなっちゃうかもしれませんね。僕の場合は合わせ技のレアケースで、そうはないパターンなのでご安心下さい。

 ちなみに大変お世話になった歯医者さんへの愚痴ばかり書いたようになってしまいましたが、その方は口べたなだけで、心から信頼に足る腕を持っていることを知っていたので、全面的に安心して任せられました。でも、もうちょっと前情報が欲しかったなぁ。結果オーライなのでよしとしよう。

 何本欠けていてもできるみたいなので、歯を失くしてしまって悩まれている方にとってこの記事が参考になれば、嬉しいです。

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