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表裏一体のメリットデメリットがある自分自身の待つことを楽しもう!

2020年3月17日

漠然と待つことは簡単ではありません。

時には、1分1秒が惜しい場面があるかもしれません。

ですが、待つことによって結果が好転することもあるのです。

「急いてはことを仕損じる」「急がば回れ」と昔から言われています。

「慌てる乞食は貰いが少ない」なんて言葉まであるくらいです。

待つことを楽しむことができれば、心や人生が豊かになるかもしれません。

待つことによる、メリット、デメリットについてちょっと考えてみました。

 

待つことのメリット

冷静になれる

 

何かに腹が立った時、ただ感情のまま怒って人に当たってしまうこともあります。

もし、その前に、ちょっと時間をおいて待てば、より落ち着いて、冷静になることができるので、他者への伝え方を間違えにくくなります。

何も考えず、とっさに怒ることで、事態が深刻になってしまうこともあるので、少し待って冷静になれば、自分を制御でき、自制心を保つことができます。

すぐに怒る人は、相手にとって接しにくく感じられてしまうので、大切な関係を知らず知らずの内に、壊しているのかもしれません。

怒りとは、二次感情と言われます。

苦しい、つらい、寂しい、悲しい、悔しい、などの感情が発生してから、湧き出る感情ですので、自分に余裕があるかどうかで、怒りの度合いも変わってきます。

待って冷静に考えると、相手に怒った後の影響を把握でき、むやみやたらと感情をぶつけることを防げます。

とは言え、「怒り」はエネルギーにもなりますので、とても大切な感情です。

相手の目線でも考えて、冷静に怒ることで、大切なことを伝えたいことや、自分が真剣である事を伝えることもできます。

「怒る」と「伝える」はかなり意味合いが異なりますが、伝えないことで貯め込んでしまうと、自分自身へのストレスとなって苦しむかもしれません。

怒って相手に話をしても、伝わるものも伝わらない場合もあります。

言うべきことをその局面にあった、適切な方法で伝える事が大切です。

 

印象がよくなる

待つことを習慣化することによって、自分の気が長くなり、周りからの印象もよくなります。

間違っていることに従う必要はありませんが、待つことによって、適切に考えを巡らして、状況に合わせられるので、余分な愚痴や不満をこぼすことが減らすことができます。

落ち着いてものごとを俯瞰して見ることができるので、目の前の些末なことにこだわらなくなり、大きな視点でものごとを判断する結果に繋がるのです。

その作業を繰り返していると、最終的にうまくいくコツを掴みやすくなるため、細かなことにイライラして、ストレスをため込むことが少なくなり、あわてず心に余裕がある人だという評価を得やすくなります。

誰しも真剣に取り組んでいることに対して、過剰に事細かな指摘を受けたり、いちいちダメ出しされてしまうとやる気を削がれたり、不快に感じてしまいます。

待つことによって、おおらかな人だと思われるた方が、慕われて人望も上がるかもしれません。

短絡的にならずに済み、導きたい結果へ辿り着きやすくなります。

 

物事が進みやすくなる

 

会話をしていても、相手に意見を全て出してもらうまで待った方が、意図を理解できるので、話がまとまりやすくなります。

つい話し下手の人には、その都度口を挟みたくなってしまいますが、誰もが話し上手ではありませんし、適切な表現ができるとは限りません。

まとまりのない話でも区切らずに、全部聞くことができれば、その人が何を伝えたいかを、推察することができる様になります。

黙って相づちを打つなど、聞いている姿勢を見せて、言いたいことを最後まで話してもらえれば、相手も次はこちらの話を聞こうと思えるので、受け入れ体制ができ、自分の意向も相手に伝わりやすくなるので、相互理解が深まります。

いつも遮られ、言いたいことを言わせてもらえないと、この人には相談しないようにしよう、と思われるかもしれません。

根気強く待つことで、相手の成長を促したり、交渉や説得する場面でも、相手の承諾や納得を、引き出しやすくなることに、繋がりやすいと思います。

 

静養することができる

 

 

これまでの待つと、少し意味合いが変わりますが、長期的な待つも効果的です。

心情ばかりでなく、身体面でも待つことの恩恵があります。

例えば、ケガや病気が長引くと、つい早く治したい気持ちもあり、つい無理をしてしまいます。

早く復帰して活躍したい。

仕事をちゃんとやらないといけない。

そう思うのは、が人の常です。

なかなか現実が許さないと思いますが、無理をしてぶり返すよりも、じっくり治るまで待つことの方が、トータルのパフォーマンスは高いかもしれません。

人に交代してもらえることは変わってもらい、今すぐにしなくてもいいことは後回しにする。

気が付いていないだけで、案外自分ではないといけないことは少ないもので、任された側の能力も上がるかもしれませんし、その方との関係性も深まります。

もちろん、その時の借りをお返しすることを忘れないことも大切です。

 

ダイエットに有効?

 

これは余談ですが、ダイエットにもメリットがあります。

ダイエットの方法論は、いくつもありますが、ただ体重が減るまで、ひたすら空腹を我慢するのではなく、食事量を減らして、もう少し食べたい気持ちに時間をおいて待っていれば、だんだん満腹中枢が働いて来て、ちゃんと満足感を得ることができます。

やみくもに食事を抜くような食事制限をしないで、バランスよく少なめに食事を取り、その時に残った食べたい欲求が収まるまで、待つことができれば、満足感に変わりますので、欲求に勝てるかもしれません。

食べたいものを好きなように食べたいですが、ドカ食いしては元も子もありません。

適切な量で満足できるように、待ってみることも大切ですね。

 

待つことのデメリット

根気や忍耐力が必要

 

やはり待つということは、落ち着かずに苦しいものです。

メリットで書きましたが、いいことだらけの待つことも、経験則でそれがメリットに繋がると分かるまでは、自分の中に根拠がないので不安になりがちです。

元々気が長い人ならば、そう苦にはならないかもしれませんが、元来せっかちだったり、落ち着きがない人だと、イライラして仕方ないかもしれません。

その状態を維持することの方が、よくない場合もありますので、待った方がいい場面か、そうでないかの見極めが大切です。

 

タイミングを逃すかもしれない

投資であったり、何か早い者順の様なもの申し込む時に、いちいち待っていては好機を逃すこともあります。

ただ待つのではなく、待つことの効果を理解せずに、時間だけ経過させては意味がありません。

何の為に待って時間をかけるのかを考えて行動できれば、冷静な判断にかける間隔も、自分で判断できるようになれるはずです。

仕事上の取引や、意中の相手がいるときに、タイミングを間違えてチャンスを逃す話は、そこら辺にたくさん転がっています。

相手の気持ちが変わる前に働きかけてみたり、自分の回答を伝えないと、上手くいくものも、上手くいかない結果を迎えてしまうかもしれません。

 

待ってもむだなことがある
待ってもだめなこともある
待ってもむなしきことばかり
それでもわたしはじっと待つ

 

 

詩人の相田みつおさんも、そう詩を編んで、最後に「それでもわたしはじっと待つ」と締め括っておられます。

何とも深いですね。

 

判断が遅いと思われる。

 

相手が急いでいる場合や、時間が限られている時に、その回答を即座にしてあげないと、信頼を損なうかもしれません。

的確な判断をするために時間を要することはありますが、必要以上に自分の中で時間をかけることは、相手にとっては頼りない印象を持たれてしまうこともあり得ます。

また、反応が鈍く、時間ばかりかけていると、おおざっぱな人だという印象を持たれるかもしれません。

刻一刻を争う場合には、じっと待ってられない事もあるのです。

 

まとめ

 

待つことのメリットとデメリットを比べると表裏一体の関係にあります。

見方を変えると長所が短所になり得ることは多々あります。

根気強く待って相手を理解しても、それに合わせた話ばかりをしていれば、本音を言わない八方美人な奴だという評価を受けるかもしれません。

盲目的に待つことを美徳と思い込み、自分の器を超えて徹底してしまうと、溜まった不満が何かの拍子に爆発してしまうかもしれません。

ストレスをため込まず、自分で適度に発散することも必要です。

まったく怒らない人よりも、怒ってる人の方が魅力的に思えることもあるので、世の中おかしなものです。

自分に合った「待ち方」を、相手や状況に応じてうまく使わないと、意図したことと反対の結果を伴う危険は常にあります。

上手に待つことは難しいですが、どうして待つのか、どのくらい待つのか、待つことによってどうなるのか、を的確に判断することが大切です。

自分にとっての「待つ」とは何かを見付けることができれば、ブレない人生を送れるかもしれませんね。

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